- 速弾きを練習するならゆっくり弾いてちゃいけない!
- 速く練習しないと速くならない!
こういう話を聞いて、よし!速く練習するんだね!っ思っている方いませんか?
僕はレッスンでもオンラインサロンでもみなさんには「ゆっくりから確実にテンポを上げて練習するのが近道だよ」と教えています。この2つの情報を知って「どっち?!」って困惑する方が多くいらっしゃいました。
中前が間違えを教えてたのか?
それとも他の人が間違っているのか?
ゆっくりから練習するのは間違いなのか?!
本当に弾けるようになる練習方法とは!
いろいろ言われている練習法を整理してみます。
どのレベルの人に向けた情報なのか
この前とある方の話を聞いていたら「短距離の選手は速く走るために練習している。だからいつも速く走っている。ゆっくりは走って練習しないでしょ!」という話を聞きました。
なるほど!と思う反面こんな疑問も
「誰に・どのレベルの人に向けて話をしているのか?」
極端な話ですが、右手と同時に右脚を出して走ろうとしている人に「速く走りたいならいつでも速く走って練習だ!」と言ったらどうでしょう?
いやいやその前に走り方をゆっくりマスターしなさいよ!って多くの方は思うのではないでしょうか。
ギターも全く同じです。運指を覚えばかりのひとが速弾き練習だからって力任せにガチャガチャ弾いていたら?弦を押さえる指とピッキングのタイミングもかみ合っていないのに、早さだけを追求してこれを続けてたら弾けるようになりますか?
ならないですよね。
まずどうやって指を動かすとスムーズなのか?右手と左手がかみ合わない原因はなんなのか?何が違ってるのか?とかこのフレーズを弾くための動作を確認する必要がありますよね。
動きを確認して基本的な動作が出来たら速く弾いていきましょう。
ゆっくり練習するな!の本当の解釈
でも気を付けて欲しいのは練習法には2種類あるということ。
①確実に綺麗に弾ける物を徐々に早くしていく練習
②弾けていなくても速さにチャレンジする練習
基本的には①の練習方法が大事です。
でも速く動かす感覚だったり、速く動かすための筋肉だったりを育てるには速く動かすという動作は必要です。
とはいえ「速弾きはゆっくり練習するな!」という話を聞いて②の練習ばかりしているのはNG。②の方法は練習というよりチャレンジでいいと思います。
いまBPM100くらいで確実に弾けるけどBPM120だったらどうかな?って試してみるとか。で弾けなかったら「くそー!」ってなってまたBPM101からやるとか。
これが「速弾きはゆっくり練習するな!」の本当の解釈だと僕は思います。
情報過多の弊害
最近は情報が多すぎるからだと思いますが難しく考えすぎてしまう人が多い気がします。
速弾きって難しいですよね。だからちょっとやってできなくて、何か楽にできる方法はないのか?って情報をかき集めてるうちに「速弾きはゆっくり練習しちゃだめなんだ」っいう情報にたどり着いて「そうだったのか!」うぉーって速く練習してる方も多いんじゃないかと思うんです。
今までセオリーとされていた方法を否定する情報というのはインパクトありますからね。情報として広まりやすいのだと思います。
速弾きって派手なプレイな反面、裏では地味で長期的な反復練習が必要なプレイです。怪しいダイエット食品みたいに「これ飲んだらすぐ痩せる!」みたいなのはないです。
著者プロフィール
▼中前議晴 – Yoshiharu Nakamae
2021年7月に脳の神経疾患である局所性ジストニアが発覚。ギターの演奏中に意思とは無関係に左手中指が勝手に動いてしまう症状により右利きでの演奏が困難になる。そのため20数年弾き続けた右利きから左利きへ転向。現在は右手・左手の両手どちらでもギター演奏が可能な両利きギタリストとなる。
▼現在の活動
・HeavyRock/LoudRockバンドプロジェクト” FlickDown “ギタリスト・コンポーザー
・Exproモニターアーティスト
・ギターレッスン 愛知県三河地区での対面レッスンとオンラインレッスンにて全国の生徒への指導
・オンラインサロンClubRoots運営
・YouTubeチャンネル登録者6.7万人(記事執筆時点)
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